=^_^=過去のニャンズ その2=^_^=ひなたを飼い始めて2年近く経った頃、もう一匹家族が増えた。 その日は「家出をした次男」を探す毎日に疲れた私が、長男を誘って夜の海を見に行った。 そこは明石市の江井ヶ島で、海の向こうには淡路島の灯りが見えるし明石海峡大橋も見える。 当時辛い事や嫌なことがあると私はちょっと車を走らせて、江井ヶ島でぼんやりと海を眺めて気持ちを鎮めていた。 その日私たちは駐車場に車を停めのんびりと海岸を歩いた。 すると小さな影が足にまとわりつく。少し歩みを速めるとその小さな影は離れていく。 幾度となくそんな事を繰り返して、私はその小さな影をそっと持ち上げた。 ちょっとやせたその子は白黒のハチワレで、鼻の下に小さな鼻提灯のような黒いブチがついている。 「ちょっとぶちゃいくやなぁ」でもとっても人懐っこくて愛らしい・・・・ お股をちょっと覗いてみると性別が判らない。 う〜ん、連れて帰る?でもひなたが居るからアカンかなぁ・・・ その子をそっと置いて私たちは離れることにした。 暫くするとやっぱりその子は私たちに付いて来る。 離れようとしても付いて来る。 「これは連れて帰るしかないな」長男と顔を見合わせてお互いに頷いた。 長男が優しくその子を抱いて助手席に座り、私は家路へ急いだ。 幸いな事にその子は20分のドライブを嫌がらなかった。 問題はひなたと仲良くできるか・・・と言うこと。 最初は互いに警戒していたけれど(特にひなたが)比較的問題無く多頭買いの生活はうまくいった方だと思う。 名前は、当初♂だと思っていたので「きすけ」と名付けた。 そんな出会いから15年、すっかりお年寄りになったきすけは♀だったので「きーちゃん」と呼んでいた。 ある日トイレの様子がオカシイ事に気が付いた。 「音が大きすぎない?」 「でも水をたくさん飲んでるよな」 「だからたくさん出るのかな?」 なんて会話をしていたけれどやっぱり気になって獣医さんの診察を受けることにした。 「腎不全ですね」との説明に、頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。 ひなただけじゃなくきーちゃんまで・・・言葉にならなかった。 お水をたくさん飲んでる事は良くない兆候だったのだ。 そこから10日間の入院、その後1日おきの通院で透析の生活が始まった。 良くなったり悪くなったりを繰り返し、入院したりしながら診断が下ってから1年余り頑張ってくれた。 いよいよと言う日の夜、離婚した夫の父(元舅)が亡くなったと連絡が来た。 そして日付が変わってすぐ、きーちゃんの息遣いが荒くなり、息子と私に見守られて 虹の橋を渡ってしまった。 きーちゃんはひなたと逢えたかな? 何とも言えない寂しさと悲しみが私たちを覆った夜だった。 |