=^_^=過去のニャンズ その1=^_^=私はかつてアメリカンショートヘアのミックス(♀)を飼っていた。 この子は高砂市に引っ越した直後、別れた旦那と息子たちが街角に貼ってあった 里親募集のポスターを見つけて、私の承諾なく貰い受けた子だった。 里親を募集していた子は2匹でどちらもメスだった。 一匹は人懐っこく活発な子。もう一匹は正反対の人見知りが激しい子だったと聞いた。 人懐っこい子はすぐに貰い手が見つかるだろうからと、大人しい方の子を連れて帰ってきていた。 「ひなた」と名付けたこの子は我が家の家族となった。 大人しいと思っていた「ひなた」は、それはそれはお転婆で、クレージークレイマーさながら壁を上りアッと言う間に壁紙をボロボロにしてしまった。 買ったばかりのカーテンにも爪を掛けて上るものだから、こちらも程なくボロボロになってしまった。 猫は夜行性なので、床に就いた私の足を細い乳歯でガジガジ齧る。 「アイタタッ!」と足を引っ込めると、離すまいかと爪を立てる。 子猫の爪はとっても細くて、素足にグサッと突き刺さる。 私は布団に入るのがすっかり怖くなってしまった。 それでも横になった私の上で丸まって寝ている姿や甘える姿を見ると可愛くて仕方ない。 私が下僕になるまでにそんなに時間は要しなかった。 「ひなた」を迎えて5年目、私は仕事で静岡に行くことになった。 当初は数か月の予定が半年後にはニャンズ(この時は更に一匹増えていた)と息子たちも静岡へ来ることとなった。 静岡へ移って2年後、突然「ひなた」との別れが来てしまった。 年末突然食事を食べなくなりぐったりしていたので動物病院に連れて行った。 その病院は大層設備が整っていて、たくさんの検査を受けた後に「腎不全でもう長くないでしょう」と説明を受けた。 「連れて帰っても良いですよ」と言われたのだけれど、せめてお水が飲めるくらいになってからと入院させて頂いた。 翌日病院へ様子を見に行くと少し元気になっているような気がした。後ろ髪をひかれるような気持ちでその日も「ひなた」を病院に託して帰宅した。 気分転換にと誘われてその夜映画を観に行った。 帰りの車の中で「にゃ〜ん」とひなたの声が聞こえた。 あくる朝、ひなたの亡骸を引き取りに病院へ向かった。 なんで家につれて帰らなかったんだろう。 せめてお別れの瞬間は傍に居てやればよかった。 後悔だけが私の胸に深く突き刺さった。 |